竜を追う白山系神社めぐり(2)

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次に訪れたのは勝山市の平泉寺白山神社。寺とついてはいるがここは神社である。泰澄大師が開き、戦国時代には巨大な宗教都市だったという。その頃の石畳や石垣は埋もれてしまっていて、現在発掘されているのはまだその中のほんの1%程度と言われている。それでも熱田神宮に匹敵しそうな広さだったけど。戦国時代には一体どれほどの規模だったのか。

苔むした石畳は歴史を感じさせて見た目にもとても美しかったが、それよりなにより僕がこの神社でもっとも惹かれたのは、長い参道の途中、左手にあった池だった。

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本殿よりも先に、その池に吸い寄せられるように近くにいくと、ここでも白山中居神社に似た異世界的な空気を感じて、心地よくて現実を忘れて20分ほどはずっとこの池の前にいたかな。本殿がどれだけ立派だろうが、この池の存在感に比べればかすんでしまうように思えた。

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池の前の案内板によると、養老元年(717年)大澄大師が白山登拝の途中で林泉、つまりこの池を発見した。池の中の影向石に白山の大神が出現して「神明遊止の地なり」とのお告げがあったため、社を建て白山の神を祀ったもの、ということだった。やはりこの池こそが平泉寺白山神社の大元だと思って間違いなさそうだ。現在この池は「御手洗池」と呼ばれている。

この池の「参拝」を終えて、次に本殿に向かったが、本殿の印象はまるで薄い。写真にも撮ってきていない。上記のとおり、僕のなかでは御手洗池こそが平泉寺最高の神域にして「本殿」であり、そこで参拝はすでに終わっていたようなものなのだ。本殿は「せっかく来たからついでに寄っておくか」ぐらいの心持ちだった。

平泉寺の入り口のすぐ前にある蕎麦屋で昼食にてんぷら蕎麦を食べた。
次は同じ勝山市の福井県立恐竜博物館へ。

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本当はこの恐竜博物館が一日目の目的地の中では一番の楽しみだったのだけど、白山中居神社と御手洗池があまりにも僕にとって衝撃的だったので、恐竜博物館はまるで子供だましのように感じてしまった。
いや、すごくいいところだよ。そのはず。ここは恐竜博物館として文句なしの日本一であり、世界三大恐竜博物館にも数えられるほどなんだから。恐竜好きの僕が楽しめないはずはないんだ。もしかしたらふたつの白山神社を尋ねたことで僕の心はこの時まだ半分異世界に行ったままで、だから「こちら側」である恐竜博物館をイマイチに感じたのかもしれない・・・とか思ったりする。恐竜博物館を出た後は急に疲れを感じて駐車場でしばらく眠り込んでた。


これで一日目の目的地は一通りまわった。続いて石川県白山市に移動。さすが白山信仰のお膝元だけあって、小さな白山神社がいたるところにある。手取川沿いの予約していた宿へ行く。建物はかなり古い民宿。チェックインしてすぐ温泉に入った。「絹肌の湯」とも言うらしい、つるつるすべすべ系の天然温泉。その時間に来ている宿泊客はまだ僕一人だけだったので貸切状態。温水の蛇口をひねっても冷たい水しか出てこなかったりするけど、そんなことも笑ってすませられるくらい良かった。それから夕食のイワナの刺身は甘みがあって絶品だった~。僕がここ1年で食べたものの中では一番おいしかった。

二日目に続く。

竜を追う白山系神社めぐり(1)

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連休で福井県と石川県に行ってきた。今回の旅行では行く先々に「竜」に関係するものがあったからこのタイトル。別に意図して竜にまつわるものを追ったわけではなくて、たまたまなんだけど。いつものように一人旅恒例の早朝4時出発。156号線をずーっと北上。いきなりカーナビが壊れて焦る。以前ノートPCが壊れた時もだけど、ちょうど保証期間が切れた頃に壊れるのは狙ってるのか?急遽、スマホのグーグルマップをナビ代わりにした。グーグルマップナビはけっこうとんでもない山道を指示することがあるから怖いんだよなぁw

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最初の目的地は岐阜県郡上市の白山中居神社。白山を正面に拝する山中にこの神社はある。それ以上の詳しいことは知らないで来たので驚いた。何に驚いたってその雰囲気に。どう言えばいいのか、まるで異世界に迷い込んだような不思議な感じがした。伊勢神宮や熱田神宮とも違う、別格とも言えるただならぬ雰囲気。これほどの神社があまり有名ではないのはなぜだろう。山奥すぎるからか?

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磐境(いわさか)。右手の突き当たりまで行くと、そこから山の上に通じる道があった。今回はそれ以上進まなかったけど、気になるので一度は登ってみたい。特に禁止と書かれていなかったから登っていいと思う。今の季節はクマがよく出るのでそれだけは気をつけないとね。白山中居神社を出て駐車場の左には車道がさらに山奥まで延びている。そこを進むと国の特別天然記念物の大杉があるのでそれを見に行く事にした。車道とは言ってもそこは狭く険しい山道なので、雨の日の前後には来ないほうが賢明。

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車で行ける最奥地の広場に車を停め、そこから徒歩で石段を420段登るとやっと見えてくる、これがその特別天然記念物、石徹白(いとしろ)の大杉。すっごく太い。人物など比較対象になるものが写ってないから写真からはわかりづらいかもしれないけど、とにかく太い。その太さとは不釣合いな高さ。落雷か強風などで折れたらしい。

今回の旅の主目的は石川県で人に会うことで、それは8月にはすでに決めていたことだった。その時はまだこの大杉や白山中居神社の事は存在すら知らなかった。2週間ほど前、ネットを徘徊していてたまたまたどり着いたブログ記事「千と千尋の神隠しの謎⑦~鳥居のある杉の巨木のモデルを探せ!~」を読んではじめてこの大杉と神社の存在を知った。しかも場所は、うちから石川県に行く通り道である九頭竜湖の北の山中。このタイミングとロケーションはもう「ここに行け」と明示されているとしか考えられないわけで…。いや、もちろんここを知ったからと言って、行かなければいけない理由があるわけではない。でも「寄る必要がある」と直感的に強く感じた。最近こういうことが頻繁に起きる。いったい何が僕を導いているのか、それは未だにわからないのだけど。

それはそうと、このブログ記事の考察は面白い。千と千尋の神隠しという映画の重要なキーワードは「境界」だと思う。白山中居神社は山中を流れる宮川という川に隔てられて、橋を渡った瞬間からまさしく異世界だと感じた。映画で千尋が帰れなくなったのは、来た道が川のように水であふれたからだったよね。だから映画の杉の巨木のモデルがこの石徹白の大杉だという考察も納得。それを自力で調べたんだとしたらこのブログを書いた人もすごい。もちろん宮崎駿監督もすごい。監督も「千と千尋の神隠し」を作るにあたっては文字通りなにか神がかり的なインスピレーションが働いたんじゃないかとも思えてくる。そういえば、あの映画にも白竜が出てくるね。
あ、ちなみに「水の流れが境界線」という話は、今回の旅で会ってきた石川県の人の話の受け売りです(ぉぃ
後で書くけどこの人もすごいんだよ。

この石徹白の大杉のところからさらに登山道が続いている。そこを進むと白山の尾根へと到る。しかしここから白山山頂へは片道30kmほども距離がある。こんなところから行く人が実際にいると言うのだから、登山家はすごい。何回すごいって言うんだ。テントに何泊になるんだろう。楽しそうだけど、体力的に僕には到底真似できそうにないw

ここから一旦山のふもとまで降り、そこからまた山道を走って九頭竜湖の西端へ出る。九頭竜湖は紅葉の名所だけど、暖かいからまだ紅葉には早すぎるね。「道の駅 九頭竜」でなにかおいしい昼ごはんがないか探したけど、まいたけ弁当しかなかった。ここはまいたけが特産品なんだそうだけど、ごめん、まいたけはあまり好きじゃないんだ…。それ以前にこの道の駅や周辺ひととおり、あまり好きにはなれなかった。バブリーな人間の欲のにおいがぷんぷんして。これは長野県の「白樺リゾート」と似た嫌な感じだ。そそくさと後にして、次の目的地は福井県の勝山。

続く。