西日本駆け足神社めぐり旅(11)~幣立神宮(神社)~

上色見熊野座神社を後にし、阿蘇の外輪山を南へ下りました。阿蘇には生まれてはじめて来ました。

ここに来る前までは、阿蘇は富士山などと同じく、地球のエネルギーを感じる場所というか、清々しく元気がもらえる場所かもしれないと期待していました。しかし実際に行ってみた感想としてはそうではなく、どちらかというと居心地はあまり良くありません。
的確な表現が見つかりませんが、少なくとも僕にとって元気がもらえる場所ではありませんでした。
この印象は、次に訪れた幣立神社でよりはっきりしたものになりました。

幣立神社

スピリチュアル界隈ではわりと有名な神社で、検索してみるとわかりますが「めちゃくちゃすごいパワースポット」という扱いです。
たとえばこんな風に。

歴史は15000年!?阿蘇「幣立神宮」はスピリチュアルな隠れ宮
https://www.travel.co.jp/guide/article/13325/

僕もこれらの評判は読んで知っていたので、けっこう期待して来ました。

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自分に合っている神社なら駐車場に車を停めた時からすでに清々しい気持ちになるものですが、ここではそうではありませんでした。自分が緊張していることがわかります。合わない証拠ですね。

境内に入ると、僕の頭の中はクエスチョンマークでいっぱいになりました。
神社の由緒書きにはこう書いてありました。

当神宮は民族の起こりであったが、応神天の時、勃発した内乱の為に、自ら隠れ宮となった尊い歴史がある。ところが、人類の危機が迫ったので再び世界の世直しの神として、出現し給う

この由緒を読んだだけでもすごい違和感を感じませんか?
なんというか、まるでB級映画のプロットをその場の思いつきで数秒で考えたかのような。
それから境内に生えている、特に古そうにも見えない二本の木に囲いがしてあり、それぞれに「伊勢の内宮」「伊勢の外宮」の文字と、これまた苦笑いしか出てこない「由緒」が添えてあります。

境内に存在するあらゆるものにこういった大仰な案内が書かれていて、その内容が痛々しいほどに背伸びしていました。
僕はもうがっかりを通り越して悲しくなりました。
神社って、心で感じるものですよね。御神木なら、人は大仰な案内などなくても心でそれが御神木であると感じ取ります。
言葉で説明する必要なんてどこにもなく、それどころか余計な知識は本能的に感じとる心を弱める場合もあります。
これらを書いたのが宮司なのか氏子なのか、それともそれ以外の外部の人間なのか、それはわかりませんが、大袈裟な由緒を喧伝して、いかにもすごい場所であるかのように見せかけたい、そんな醜悪な匂いがプンプンしました。

神社の名前ももともとは幣立“神社”でしたが、いつからか幣立“神宮”という名で知られるようになったようです。この神宮という社号もおそらく神社サイドが「神社より神宮のほうが箔がつく」というだけの理由で自称しはじめ、それが流布したものでしょう。自称なので、当然のこと神社本庁にも属していません。

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本殿の裏から続くゆるやかな坂を降りていくと、立派な杉の大木があります。これらの大木の存在で、ここが阿蘇の人々に古くから大切に守られてきた神社であることがわかります。それが現代の似非スピリチュアリズムによってひどく汚染されてしまっているという印象ですね。どうしてこんなことになってしまったのか…。

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さらに坂を降りていくと、瑞穂年の神木と書かれた立札のある場所がありました。
立札のすぐ横に植えられている、片手でつかめるほどの太さのこの木が瑞穂年の神木なんでしょうか。他にそれらしき木もなかったのでおそらくこれなんでしょう。バカにするつもりはありませんが、僕の理解を超えるようなのでノーコメント。立札の下の方は泥をかぶって文字が読みづらくなっています。

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ぬかるんだ坂の一番下には池があり、その横には東御手洗という小さな社がありました。この池の脇にもやはり看板があり、「八大龍王が鎮まる聖域」と書かれています。ですが個人的には龍神が棲まうような池だとは思えませんでした。むしろお墓で感じるような陰鬱さすら漂っています。
すると新興宗教らしき白装束の団体さんが来て、皆でお経?を唱え始めました。祝詞ではなくお経でした。
再び頭がクエスチョンマークで埋め尽くされた僕はなにかどっと疲れを感じ、そのまま車に戻り、この西日本旅もここで終えて家に帰ることにしました。
ずいぶん悪いことばかり書きましたが、いつも言うようにこれはあくまで僕個人が感じた事です。他の人は違う感じ方をする事もあるでしょうから、それを否定する気は全くありません。

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帰りの道中は行きとは打って変わって晴天続きでした。観光したのは山口県の周防大島に寄ってしばらく波の音を聞いていたくらいで、あとは特にどこにもよらず高速を使って一気に1000kmを突っ走って家に帰りました。幣立神社は僕の神社めぐりの中でも断トツのガッカリぶりでしたが、そのほかの九州の神社にはまたいつか機会を作って行きたいと思います。


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